「墨東のどんつきには妖怪が棲んでいる」
そのウワサを聞きつけたドンツキ協会では、様々な場所や状況の中で、
事物に宿る幾多の妖精・ゴブリンを見つけ出してきた、
ゴブリン博士・小中氏を招いて調査隊を結成。
墨東のどんつきを巡りながら、隊員の目撃談をもとに、
そこに潜む妖怪の正体に迫った。
〜妖怪どんつきの紹介〜
D五郎(だいごろう)
夢の国からやってきた
ネズミの妖怪。
天敵のネコを避けるため、
焼酎のペットボトルを
たくさん用意しようと、
ひたすら焼酎を
呑み続けており、
物干し台型の足は
千鳥足である。
1の2(いちのに)
某ヒゲの配管工の冒険に出てくる地下ステージに似た
どんつきにくらしている。
日陰暮らしの暗さと
時に差す太陽の陽気さをあわせもっている。
そのくせ親分肌で面倒見がいいのか、
地元の子ども二人を足下にひき連れている。
近所に暮らしている雷様とは従兄弟にあたる。
一反友禅(いったんゆうぜん)
建物の間の細い路地の隙間に揺らいでいる
江戸友禅染めの妖怪。
路地をぬって届く夕日に涙を誘われる純情派。
好物は柿。
蛇舞香姐さん(じゃまいかねえさん)
料亭街のアイドルでもある、妖怪どんつきの紅一点。
おしゃれなドンツキに棲む個性派おしゃれ姐さん。
髪型がドレッド型サボテン、額は着物で飾る。
墨堤の桜
隅田川の花火
X字型の桜橋など、
地元名物へのこだわりは強いようだ。
雷様(かみなりさま)
道がジグザクになった、
カミナリ型ドンツキに居を構える。
雨が多い場所のため、
体が苔で覆われている。
カミナリの電気で動く吸引機で、
道ゆく人は吸い込まれるように
どんつきに引きつけられる。
華麗どん(かれいどん)
商店街の通り左右にどんつきが連なる
ヘリンボン型ドンツキにひそんでいる、
カレイのホネの妖怪。
ホネの付け根は
それぞれ商店街のお店となっており、
まだまだお店はがんばっている。
桜ん坊(さくらんぼう)
お墓に囲まれた
ドンツキの公園に
ひっそりと花を咲かせる
桜の木の精。
まだ赤ん坊で
お気に入りのよだれかけは
盆栽になっている。
淋しんぼうなのでお花見に来てあげると
喜ぶだろう。
空樹入道(すかいつりぃにゅうだう)
生まれも育ちも下町のくせに、
セレブを気取って、いつも上から
見下している、唯我独尊な性格。
地元のためには働こうとせず、
地元民の失望のため息が動力。
途を戦坊(とおせんぼう)
道の真ん中をふさいで通行の足止めをする
電柱の妖怪どんつき。
釣りが趣味だが、自分の任務に忠実な戦闘タイプ。
とげの生えたしっぽが武器。
八岐大蛇(やまたのをろち)
いくつにも枝分かれした
ドンツキに生息する大蛇。
いくつもの頭をもち、
頭の集まる場所では、
井戸端会議が開かれている。