ドンツキ分類学-形状

どんつきに名前をつけよう!

どんつきの多くは名もなき通路であり、
目の前にあるどんつきが一体どのような特徴を持ったどんつきであるのか?
それを言い表す方法が定義されていません。
当協会では、町に無数に散見されるどんつきを観察し、
その形状の分析や主観的な評価等によって幾つかの種類に分類化する試みを行いました。
それによりどんつきに対する概念の共有化を図る。それがドンツキ分類学のねらいです。


01chokushin

直進型【ちょくしんがた】

いわゆる基本的な形状。
当然最も数が多く、たいがいのどんつきはこの種類に属する。
しかし長さや太さ、新旧に至るまで種類は千差万別であり、必ずしも単調であることを意味しない。


02sakibosori

先細り型【さきぼそりがた】

先細り型は、通路の幅が奥地で細まってゆくタイプ。
勘が働けば、どんつきへと至る前兆として察知することができるであろう。


03sakibutori

先太り型【さきぶとりがた】

先太り型(末広型)は、通路の幅が奥地で広がっているもの。
その広がりにおいて神社が祀られていたり、古井戸がある等、特別に意味のある空間である事例も多い。


04genko

ゲンコ型【げんこがた】

奥地で広場が形成される場合はゲンコ型と呼ばれる。
計画都市などで散見される、車転向可能なクルドサックもこれに属する。


05sakiore

先折れ型【さきおれがた】

先折れ型は通路が奥地で折れ先がよく見えず、その先が別の通りへと通じているものと思わせるため、どんつきか否かを前もって判別するのが困難である。


06choji

丁字型【ちょうじがた】

丁字型は、突き当たりで左右両側に撞木(とんかち)状にどんつきが分かれるタイプ。
通り抜け可能と思い込んまま入り込んだ場合のがっかり感は倍増される。


07kagimagari

鉤の手型【かぎのてがた】

角型が連続したものが鉤の手型。
昔は敵兵の侵入を防ぐために城下町や宿場町で用いられた地形であった。


08bunki

分岐型【ぶんきがた】

分岐型は、最初に進入した通りの途中で通りが分かれ、子ドンツキ、孫ドンツキへと派生してゆくタイプである。


09tree

ツリー型【つりぃがた】

分岐が複数にまたがって、規模が膨大となったものはツリー型と呼ばれる。
このようなどんつきの中でさ迷うさまは、お釈迦様の手の平で踊る孫悟空さながらである。


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ヘリンボン型【へりんぼんがた】

一般的な通り抜け可能な道の両側にどんつきが連なるタイプはヘリンボン(魚の骨)型と呼ばれる。


11kyokusen

曲線型【きょくせんがた】

湾曲した通路は都市部では一般的ではないが、ほんの僅かなカーブによって見通しが遮られ、進入時にどんつきか否かの判別ができない場合も散見される。
未舗装のためなどにより、通路の形状が不鮮明である場合は不定形型に分類する。
住宅地図にも記載されていない場合もあり、現地において初めて見つけられる事もあるようだ。


12demodorius

デモドリウス型【でもどりうすがた】

古代ローマの探検家、デモドリウスにより提唱された、進入したのち、通路を回遊した挙句、元来た通りと同じ側へ出てきてしまい、結局遠回りさせられるタイプを指す。
通路の間口と奥行きの長さの比によっては、どんつきと呼べないのでは?と古来より、その是非を巡って論争の的となっている。


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マタドール型【またどーるがた】

一見、通り抜けられなさそうで、実際に訪れると通り抜けられてしまえるさまをスペインの闘牛士に例えて表される。
厳密にはドンツキの定義から外れるが、当協会としては捨てておくには惜しい存在である。


14shinkiro

蜃気楼型【しんきろうがた】

通路の先に道が見えているにも関わらず、通り抜ける事のできないもの。
もしくは、地図上では通れるはずなのに、諸々の事情により、実際には通り抜ける事が困難なもの。
股通る型とは対をなす存在である。

ドンツキ分類学-形状」への8件のコメント

  1. 「タモリ倶楽部」で今拝見しました!!(^∀^)
    いろんなドンツキの型が描かれたフリップが画面に登場しましたが、その中に「?」のような形の道がありましたよね。あのドンツキの型の名前が見えなかったので、紹介を待っていたのですが、ちょっとよそ見した隙に紹介が終わったようで、結局名前が分からないまま番組が終わってしまったのです。
    分からないままだと気になるので、「ドンツキ協会 ツリー型 ノギス型」で検索してみましたが何もヒットせず、続いて「ドンツキ協会」だけで検索を掛けると、ようやくこちらのサイトが見つかりました。そして、サイト内を、検索掛けたりウロウロしたりすることで、遂に「曲線型」だと突き止めた次第であります。ホッとしました(^-^)
    ドンツキ、面白いですね。ワタシの住む千葉県八千代市の住宅街もドンツキだらけで、よく近道を捜しては道に迷っております(^∀^;)
    これからも精力的に活動をお続けください!

    • はじめまして、ドンツキ協会の齋藤です。
      番組をご覧いただけただけではなく、
      このようなメッセージをいただけ、大変感謝しております。

      番組の中で私どもドンツキ協会の本当の趣旨が
      どこまでお伝えできたか不安で望んだものでしたが、
      応援のメッセージ、ありがたく拝受いたします。

      実は私ども八千代市とはご縁があり、
      理事のフジシロが八千代市の学校卒で、
      私も妹家族がそこに移り住んでおります。
      あいにく、協会設立以前のご縁のため、特にドンツキを探したことがなく、
      あまり見かけた記憶もございませんので、
      もし気になるドンツキがあるようでしたら伺ってみたく存じます。

      遅くなってしまいましたが、ご返信までに。

      ドンツキ協会 齋藤佳
      https://dontsuki.wordpress.com
      http://www.facebook.com/dontsuki

  2. 「タモリ倶楽部」見て検索してきました、
    興味深く拝見しました、少年心や冒険心が擽られ面白かったです。
    我が家もプチドンツキでして 5軒でコの字型を形成しておりまして 真ん中に住んでおります、
    面白いのは人ではあまり無いんですが、車やバイクは予測でシュッ入ってすぐブレーキしてバツの悪い顔をしてバックしてます、裏道っぽく見えるのかよくある、あるあるです。

    当方、神戸に住んでおりまして震災前はドンツキばかりでしたが震災により区画整理の果てに少なくなって行きました、寂しいですね。

    これからも活動頑張って下さいね!

    • tonoさま
      はじめまして協会の齋藤です。
      お書き込み、ありがとうございます。

      ご覧いただけました通り、この日は記録的な大雪で無念のロケ中止、お天道様には逆らえませんが悔いが無いかと言えば嘘になる、そんな状況でございました。

      神戸へは、別の番組のために調査したことがございます。斜面地などの地形のドンツキを狙いましたが、さすがに平地の中心街は厳しかったですね。
      一般的にはドンツキは無いほうが良いわけですから、複雑な気分ではあります。

      応援ありがとうございます、
      これからも地道にがんばります。

  3. タモリ俱楽部拝見いたしました。
    ノギス型の最後でタモリ氏が何か一言おっしゃって全員大爆笑!というシーンがありますが、どうしても聞き取れません。
    すみませんが、お分かりの方おられましたら教えてください。

    • ドンツキ協会でございます。
      当時のこと、私どもにも確認できなかったので、facebook の書き込みにてご意見を募りました。
      結果、「ねっ、じゃなくてね」とのこと。
      前の話を受けての発言のようです。
      どうかご参考くださいませ。

  4. TV番組やサイトを見て思ったのですが…こちらの協会で理解され定義されている?その”ドン突き”と、関西地方でよく使われる”ドン突き”という言葉では同じ”ドン突き”でありながらも意味?定義?がまるで違うものとなってしまっております。いや、「似て異なるもの」と言えば良いのか…

    関西地方では”ドン突き”はあくまで「突き当り状態」になる事であり、たとえば「この道を進んだ先にあるドン突きを右に…そしてしばらく進んでまた出てくるドン突きを今度は左に進んで…」という風に…道案内時に使われたりします。

    つまり関西地方では「丁字路」「L字路」「逆L字路」にある「突き当り状態」または「突き当りの”壁や面”の事」を”ドン突き”というものとして理解されそして使われており…「行き止まりである事」または「行き止まり”が”ある事」を決して意味しません。

    今のままでは…
    関西地方の人、、特に京都の人なんかには「ダンナはんら…ちっともわかっておられまへんのどすなあ~」と言われてしまったり…あるいは大阪の人に「ふん、ほらな?やっぱりや。これやから東京モンは~…」みたいな事にもなってしまいかねない…
    あるいは「東京大阪間ドン突き論争!」といったような新たな諍い事にまですら発展しかねません。

    それでは御協会が単なる一地方の小組織にもなり下がってしまいかねず、決して全国的にも認められ受け入れられる有名組織協会にはなれはしない…という事にも「なってしまいかねない!」…と危惧さえしてしまいます。

    つきましては…
    それら諍いや悪評を生んでしまう事をうま~く回避すべく「関西地方でいう”ドン突き”」というものにも…考証や検証を進めてみられる事を強くお勧めいたします…

    • コメント主さま

      ドンツキ協会です。ご返事が遅くなり失礼いたしました。
      そして、テレビ番組をご視聴いただいてのコメント、ありがとうございました。
      ご指摘の件、まったくもってその通りでございます。ドンつく「壁」があって「どんつき」と呼称するのであって、そこが行き止まりであるかということについては関連性はございません。

      私どもが活動を開始したのは10年以上前の、2011年のころ。
      活動を開始するにあたって、その場で誰かが発言した、「ドンツキ」という呼称に大変親しみを覚えまして、協会名にまで採用した経緯がございます。おそらくこれが「袋小路」「行き止まり」では、この度のようにテレビなどのメディアには取り上げられるどころか、活動そのものも始まっていなかったかもしれません。

      なお、私どものあいだでは、本来の正しい用途である「どんつき」に対し、私どもの定義する行き止まりのことを「ドンツキ」とカタカナ表記にて区別を行っております。メディアなどの取材をいただく際には、まずこのような前提についてお話するようには心がけてはいるのですが、放映・収録時間の関係上、なかなか思うようにはまいりません。

      近日に、「どんつき」の本場である京都で、まち歩きのイベントを行う予定です。今回ご助言いただいたことを実践する、折角の機会です。地元の日常的に本来の「どんつき」を用いている方々とお話をし、ご意見をうかがう機会に替えたく存じます。

      それでは、失礼いたします。

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