ドンツキクエストin尾道7/6 レポート

「路地サミット in 尾道」協賛(非公認)企画 ドンツキクエスト

日時:2014年7月6日(日)16:15〜17:30
参加人数:8名(途中離脱も含む)

路地サミット2014in尾道の閉幕後、ひっそりと開催いたしましたドンツキクエストin尾道。
連休でもない日曜日の夕方、そして尾道という遠方でこれほどのご参加をいただけたのは、
望むべくもありません。

ちなみに参加者の内訳は、みな路地サミットのご参加者で、
地元広島より3名、滋賀県、大分県、新潟県より各1名、東京より2名(うち地元向島より1名)
という地域色豊かな顔ぶれ。
このようなメンツで、あくまで東京の向島在住者の雑談から思いついた
ドンツキの愉しみ方がどこまで通用するのか、その試金石として
プレッシャーを身に受けつつのツアーとなったわけであります。

路地サミット開幕中は小雨がややちらつく程度だったのが、
夕方のこの時間になり本降りになってきてしまいました。
通常のドンツキクエストならば中止といったところですが、
ここに来て、、、というわけにも参りませんので
押して決行させていただきました。

◆尾道のドンツキとは?

尾道のドンツキはどのようになっているかといいますと、、、
尾道をご存知ない方には、そもそも尾道とはどのような町かをご紹介する必要があります。
尾道はその起源が聖徳太子の時代にさかのぼるといわれるほど歴史のある、
古刹と坂道と路地のある港町、、、と様々な表情を持っています。

実際に訪れてみて感じられるのは、
尾道市街地は、南北ではっきりと2つの個性に分かれていることではないでしょうか。
山陽本線や国道2号線が市街を東西に貫通し、
その北部は数々のお寺や家屋が急斜面にひしめき合い寺社巡りルートとなる斜面集落。
南部が新たに埋め立てられた平地にアーケードのある商店街を中心とした繁華街、
しかし、南北両方に共通するのが、細い路地が迷路のように入り組んでいること。
八方美人な表現になりますが、どちらもそれぞれに歩いて楽しめるだけの
魅力を備えていると言っていいでしょう。

ですから、今回のドンツキクエストも
前半を南の平地ドンツキ、後半を北の斜面ドンツキと
はっきりとテーマ分けして訪れることにしました。

◆ツアー開始

さて今回、尾道ドンツキの案内役を担って下さったのが
尾道生まれの尾道育ちの奥君。
イーハトーヴ尾道(http://ihatov.in)のスタッフでもあり、
今回の路地サミットでも司会やツアーガイドを取り仕切り、
そんな多忙な中でドンツキクエストまで快諾して下さったことには頭が下がるばかりです。

スタートは路地サミットの閉幕場所、尾道商業会議所、尾道のアーケード街の半ばにあります。
我々ドンツキ捜査隊はここからアーケード沿いにさらに東へと進めます。
尾道駅とは反対方面ですので、次第に観光客の足も遠のく、尾道のディープゾーンになりつつあります。

さて、最初に言ってしまえば、この南の平地にはドンツキが多くありません。
おそらく、海岸線(尾道水道)沿いに家々が並ぶという、割と明確な町割りが最初からできていたため、
やむを得ず行き止まりになるような事情が出来しにくかったのではないかと思われます。
尾道の平地部の埋め立ては、歴史をさかのぼるとせいぜい近世どまりで、さほど古いものではない(奥君談)ようです。

そんななかから見つけ出したドンツキは、、、、

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誰も行かないような奥まった場所にあった空き地ドンツキ。
捜査隊一行の目は、斜めづたいに伸びやかに張り付いた配管に。

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商店街沿いより、建物の通り土間を抜けて延びる石畳のドンツキ(回遊型)が。
立派なことに、「築地小路(つきじしょうじ)」という名称の書かれたステンレス柱が。
いかにもプライベート性の高い、通るにはひるむ空間ですが、名前があるということは
公共性があったのかもしれません。

03onomichi

商店街から裏路地に入ってみると、すれ違い不可能な細い道が長々と続いていました。
飲み屋さんもあるので、交通需要がなくもなさそうです。

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潮の干満の激しい瀬戸内海で、護岸に船を乗り付ける際に、潮高さに関係なく乗り付けられるように
階段状に整備された護岸を「雁木」と呼んでいますが、
その遺構が平地の路地迷宮の中に残されており、ツアーの途中に訪ねてみました。(奥君案内)
ここが当時の海岸線ということでしょうが、ずいぶん陸側にありましたね。

今度は山側に場所を変えてクエストを続行します。
帰りの新幹線などもあり、ここでお別れの方もいらっしゃいました。

コースのほとんどは地元民の奥君に任せていました。
私齋藤も、尾道の斜面地は歩き尽くしたつもりでしたが、
それでも知らないドンツキがありました。
奥君曰く「ここからは未開拓のディープゾーン」とのこと、

05onomichi
地図を見るかぎり、お寺の境内っぽい場所を抜けて、裏道の裏道を行った先。
このような立地ではありますが、奥に建物の玄関が見えます。

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こちらは平地に近く、斜面というほど傾斜地ではないですが、
住民以外誰も踏み込まないだろうと思われる界隈。
向島では親しみのある風景ですが、この建物同士の近さはそうはありません。

06onomichi
手前にあった建物が解体されたため、近代絵画のパターンアートのような建物が出現していました。
斜面地は特に建物の保存や建て替えが難しく、ここ尾道でも現実的な問題であります。

写真だけでは表現し尽くせない、なるほどディープでした。

天候もあり、ツアーはここまでにして、
齋藤が尾道で行きつけとしているお好み焼き屋「ぽんた」にて打ち上げとしました。
ツアー後の今回の「ベストドンツキ」選定については、
尾道全体を見たわけではないので有力な候補を挙げた上で、保留としました。
天候にめぐまれた時期にまた開催したいですね。

考察

さて、以上のツアーから尾道ドンツキを考察してみたいと思います。
尾道ドンツキでは以下のような特徴を列挙することができました。

◆南の平地ドンツキの特徴

1.ドンツキとなっている小路にまで名前が付いている

このことは、実はすごいことなのではないかと考えています。現在ではドンツキであったものもあわせて一つ一つの小路が、町の生活を成り立たせる交通要素として機能していた時代がかつてあったのではないか、と推測されるからです。

2.回遊型ドンツキが多い

回遊型に限らず、平地側のドンツキは山(北)側に向かって延びている場合に多いことは、その特徴として挙げられます。つまり海と陸を往復するルートが尾道の主要交通軸として存在していたのではないかということですね。現在では国道や鉄道が東西の交通軸を支配して、南北の交通軸が見えにくくなっているのかもしれません。また、これらの近代の交通によって分断され生じたドンツキもかなりありそうです。

3.ドンツキの再奥が斜面(崖)のふもと止まりとなっている。
4.ドンツキに井戸とお宮さんがセットで残っている。

ドンツキの再奥が井戸やお宮さんがあることは珍しいことではなく(西日本では)むしろ当たり前のことなのですが、「セットで残ってる」ことに尾道らしさ(もしくはこの地域らしさ)があるのではないか。しかしあくまで仮説であり、他所との客観的比較調査を要します。

5.決して数は多くない。

数が多くないのはその通りですが、上の様々な特徴が得られたことでさほど気にする必要はないのかもしれません。

◆北の斜面ドンツキの特徴

1.平地に比べ、圧倒的に多い。

斜面地である以上、地形による制約が強いため、このことは「尾道らしさ」として定義するのは難しい(つまり、他の地方の斜面集落へ行けば同じ要素が見られ、どこでも一緒)かもしれません。しかし、海に近い斜面そのものに木造密集住宅地が形作られている事例もどこにでも見られるものではありませんから、貴重な個性ではあります。
また、地形による制約か、ドンツキの方角もまちまちで、南北向きの平地のような定まった傾向はとくに感じられませんでした。

2.うっかり迷い込んでしまうことは少ない。

尾道の坂道はお寺めぐりの観光地であるために、道に迷わず巡ることのできる主要道が整備されており、見晴らしの良い坂上は方角を見失う心配も少ないなど、理由は考えられます。そのことを承知の上でドンツキで迷ってみるのが尾道ドンツキ巡りの作法なのかも知れません。

3.井戸&お宮さん

こちらは平地でみられるものと同様の条件と考えられます。

4.寺社の境内と通路の区別がつかない。

この背景には、尾道が現在のように斜面に家屋がひしめくようになる以前は、斜面地は各お寺の所有地であったのが、山陽本線の開通によって、線路敷地住民の立ち退き先として、寺社の境内であった傾斜地があてられた歴史(奥君談)があります。
したがって、境内の中に虫食いのように住宅があるような不思議な町割りがありますが、しかしその分りにくさが尾道のまちあるきの楽しさでもあります。

なお、今回のツアーではあまり写真記録を取ることができませんでしたので、
補足として、以下に参加者さまの記録をご紹介します。

参加者さまのレポート(facebookへのリンク)
https://www.facebook.com/najiranet/posts/651554808255500
https://www.facebook.com/dontsuki/posts/805731889460988

会長・齋藤も2006年に初めて尾道に来て以来、その魅力に取り憑かれ
毎年のように通うようになってしまった尾道で、
このようなイベントを開くことができたことを、
深く関係者のみなさまに御礼申し上げます。

記・齋藤

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投稿者: dontsuki カテゴリー: blog

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